クリスティアナ
キースはあの娘に間違いないと思った。


死にかけているだって!?



§ § § § § §



宿屋は酒場からさほど離れていなかった。


宿屋の女主人はキースを見るとホッとした表情になった。



「こんなむさ苦しい所へ来ていただき光栄でございます」


女主人が深く頭を下げた。



「案内してくれ」


女主人に案内されてきしむ階段を上がると一番近い扉を開ける。


そこには寝台の側のイスに座っている薬師と見られる男がいた。


その男の身体で寝台は見えない。


キースはつかつかと部屋の中を進み寝台の横に立った。


枕元には昨日キースが傷口に巻いた緑色の布が畳まれている。


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