クリスティアナ
クリスの身体に巻かれた緑色の外套は脱がされた。


「これはひどい……」


腕の傷を見た薬師は顔をしかめた。



傷口から血と膿が流れている。


「この娘を救え」


キースでさえ、傷口は目を覆いたくなるほどだ。


1人の薬師は薬草のビンが陳列している棚に行き、もう1人は消毒薬のビンを開けて傷口にかけ始めた。


「いつから?」


「俺にも分からない、怪我をしたのは昨日の晩だ」


キースは腕を組みながら処置する所をじっと見ている。


「剣の傷ですね?」


「短刀だ」


刀傷には違いないが。


昨晩、見た時はたいした傷ではなかったように見えた……。




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