クリスティアナ
「非常に珍しい髪を持つ娘だとガラムが言っていたが、どこであったんだ?」


「街です」


「名前は?」


「俺も知らない」


「腕の傷は?」


「俺を男たちから守ろうとして戦った時の傷が悪化したんです 放って置けなくて連れて来ただけのことです」


「では、その娘は戦えるのか?」


「ええ 身軽さと剣の腕前は見事でしたよ」


「それで……どうしてそんな仏頂面をしているんだ?」


ルーファスは笑いを堪えて聞く。


キースが娘の事を根掘り葉掘り聞かれるのを嫌がっているのを知っていて。


「ガラムが言っていたが当分は動けないらしい お前が面倒を見るように 身の回りの世話は侍女を付けよう」


「……はい」


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