クリスティアナ
「な、何をするんだ!」


「何をって 誘っているのよ?坊やならお金は要らないわ」


小柄な男が扉の方を見た。


赤毛の美形は思ったより背が高く、鍛えられた身体をしているように見えた。


「おい、出て行っちまうぞ」


ひそひそと隣のテーブルで話す声が聞こえた。



「30分もすれば戻ってくるだろう お楽しみのあと、やつは酒を飲みに戻ってくるはずだ」


またお楽しみ……お楽しみっていったいなんなんだ?とにかく戻ってきてはいけない事を話さなければ。


小柄な男はポケットから硬貨を取り出すとテーブルの上にじゃらっと置いた。


「あら、もう帰るの?」


小柄な男は返事を返さないまま出て行った。



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