クリスティアナ
キースは風が強く吹く城の上から下を見下ろした。


眼下では騎士たちが鍛錬を行っているのが見える。



1人で考えたい時、キースは気持ちが落ち着くここへ来る。



遠くを見れば、緑に囲まれた湖と山が見える。



この景色も気持ちが落ち着く要因の一つだ。



冷たい石の上に寝そべり、もうすぐ暮れようとしている茜色の空を見つめる。









「やはりここか」


知った仲のルーファスが足元に立っていた。


「陛下」


慌てる風もなくキースは身体を起こし、立ち上がる。


「あの娘の事で悩んでいるのか?」


ルーファスが聞くと、端正な顔に不敵な笑みが浮かんだ。


「えっ?あ、あいつの事なんかで悩んだりしませんよ」


「そうか?俺は悩んでいるぞ?王女うんぬんはともかく、あの容姿だ 男どもの餌食になるのは時間の問題じゃないか?」


「餌食?」


キースの眉間がぴくっと動く。


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