クリスティアナ
女性の言葉
数日が経ったある日、クリスはイスに座りリリアの授業を受けていた。
「ご自分の事を言う時は、「俺」ではなく「わたくし」と言ってくださいませ 「俺」は男性が使われるお言葉です」
リリアの言葉をポカンと聞いていたクリスは我に返ったように大きくかぶりを振る。
ストロベリーピンクの巻き毛がふわっと宙を舞う。
「そんな言葉、言えない!」
不安そうな青い瞳だ。
「どうして言えないのです?貴方様は女性なのですから「わたくし」もしくは「わたし」と言うのは当たり前の事ですわ」
「俺は男だ それにそんな女言葉を覚えなくても不自由しない すぐに山に帰るんだし」
子供みたいにぷいっとそっぽを向く。
「まあ……」
山に帰ると言われてリリアは困った。
夫のロイドから彼女は、今は無き王国の王女かもしれないと聞いていた。
調査次第では後見人か、夫を見つける話までになっているらしい。
「あいつはどうしている?なぜここに来ない!?」
「あ、あいつ……でございますか?」
「キ、キースだ 俺をここに縛り付けたままで何をしているんだ」
ずっと会いにこないキースに不満だった。
リリアは柔らかい笑みを浮かべ、ティーカップを上品にもち飲んだ。
この国の騎士団長をあいつ呼ばわりしているクリスが可愛らしかった。
可愛いと褒めれば顔を真っ赤にして怒りを露わにするだろう。
「ご自分の事を言う時は、「俺」ではなく「わたくし」と言ってくださいませ 「俺」は男性が使われるお言葉です」
リリアの言葉をポカンと聞いていたクリスは我に返ったように大きくかぶりを振る。
ストロベリーピンクの巻き毛がふわっと宙を舞う。
「そんな言葉、言えない!」
不安そうな青い瞳だ。
「どうして言えないのです?貴方様は女性なのですから「わたくし」もしくは「わたし」と言うのは当たり前の事ですわ」
「俺は男だ それにそんな女言葉を覚えなくても不自由しない すぐに山に帰るんだし」
子供みたいにぷいっとそっぽを向く。
「まあ……」
山に帰ると言われてリリアは困った。
夫のロイドから彼女は、今は無き王国の王女かもしれないと聞いていた。
調査次第では後見人か、夫を見つける話までになっているらしい。
「あいつはどうしている?なぜここに来ない!?」
「あ、あいつ……でございますか?」
「キ、キースだ 俺をここに縛り付けたままで何をしているんだ」
ずっと会いにこないキースに不満だった。
リリアは柔らかい笑みを浮かべ、ティーカップを上品にもち飲んだ。
この国の騎士団長をあいつ呼ばわりしているクリスが可愛らしかった。
可愛いと褒めれば顔を真っ赤にして怒りを露わにするだろう。