左手のエース
次の日。




あたしは毎日、学校が始まるより3時間も早く起き、朝のジョギングをしている。



「今日からいつもより少し遠回りしよ。」



あたしはイヤホンを耳にはめ、
玄関を飛び出した。






今さら、体力作りを強化したところで何か変わるわけじゃないけど、


妙な焦りから、体を動かさずにはいられなかった。








晶先輩は3年や2年のメンバーに対しても色んな思いがあるはずなのに、


入ったばかりのあたしを
レギュラーとして選んでくれた。


試合に出れるかどうかは
まだわからないけど…


晶先輩のその気持ちに答えたい。







そんなことを考えながら
しっかり踏みしめて走る。


いつも折り返す所も通り越して、まだ先へと走っていった。











そして




ある場所であたしの足はふと止まった。
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