左手のエース
そこは普段通ることのない、
『タコ公園』の前だった。





バスケットボールを
片手で器用にもドリブルし、軽々とシュートを放つ



ボールは公園にもともと設置されているゴールへと
音もなく吸い込まれていく。





「はぁ…はぁ…東…亮太…。」




あたしは息を整えながら、

その姿を遠くからじっと見つめた。






「はぁ…なんだ……


やっぱり好き…なんじゃん…

…バスケ…」







その姿は素人目に見ても
上手くて、綺麗な動きだ。



だけど、なぜか少しだけ違和感を感じた。









ゴールを見ているようで
見ていない、

ここにいるのに
気持ちは別のとこにあるような…


この違和感はなぜだろう?






あたしはまた前に向き直し、その場を走り出した。






試合は2週間後だ。
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