左手のエース
「…人気者?
んなわけないじゃん。

むしろ逆だよ、逆。」


あたしはすかさず大地に言い返した。




「逆?なに、舞イジメられてんの!?

あの威厳のあるデカイ先輩だろ?」



大地は晶先輩を指差す。




「違う!!
失礼なこと言うな!!


晶先輩は、体の半分が優しさでできてるんじゃないか??


って思うくらい超〜優しいんだからね!?」




「バファリンじゃねーかよ」



「あと…イジメとかじゃないよ。

試合前だからなんかピリピリしちゃって。」




あたしは大地があぐらをかいて座っている隣に、体育座りをしながら言った。






「試合前だから…?
お前出んの?試合」




大地は身を乗り出して尋ねてくる。

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