左手のエース
「うん、一応、レギュラー。」
「まじで!!!!!
バレー部けっこう人数いるのに…すげぇな。
…確かに舞は上手ぇけど…」
大地は珍しく素直に褒めてくれたけど、
今は手放しでは喜べなかった。
「そっか…
リョウと同じ感じだな…」
大地はバスケ部の練習を
遠目に見ながら呟いた。
「え?」
「1年で、レギュラーとった奴いたんだ。バスケ部にも。
うちの部、強豪でけっこう有名なのに、だぜ?」
「それは…知ってるけど…」
あたしは一度バスケ部の方へ視線を預け、もう一度大地を見た。
「ねぇ、リョウって…東亮太のこと?」