左手のエース
部室で制服に着替えたあたしは、
椅子にかけたまま、
少しの間 動けずにいた。






窓から勢いよく入る風が
肩まである髪をかきあげ、

顔にかかったまま
目の前を見えなくしてしまった。











早紀先輩のことが
頭の中で渦巻く。







「はぁ……駄目だな…あたし」




くしゃくしゃになった髪を
片手でさらに掻き回す。







そんな時、ケータイが鳴った。


新着メール…
晶先輩からだった。




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