左手のエース
「はいっ!!行きまっす!!」




…バシッ!!!!!








コート内の空きを狙って
打ち込まれたボールを
膝をついて受け止めた。





ボールはまた宙に浮いて、
軽やかにトスされて

力強くアタックされる…








「舞、調子いいじゃん」



休憩の合図があってすぐ、
バスケ部のユニホームを着た大地に話しかけられた。



「バレーくらいは
調子よくないと
人生やってらんないよ」



あたしはふて腐れて言った。



「なんだよそれ?

あ……お前やっぱり
イジメられてんだな!?
あのバファリンに!!」



大地は懲りずに晶先輩を指差す。




「なによ大地。あんたそんなに晶先輩が好きか。」




「違ぇし!!あんな巨人!!」




大地はあぐらをかいて
バスケットボールを回しながら続けた。




「それよりさ、バレー部、
レベル上がったんじゃねぇ?

お前が入った頃って
今みたいにまとまりなかった気がする。」

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