左手のエース
部員がみんな帰った後、
部室に残るのはあたしと晶先輩の2人になった。
さっきまで賑やかだった部室は
その反動なのか、
妙に静かに感じられた。
晶先輩は部活の時だけ
束ねている黒髪を
ゆっくりとほどきながら言う。
「…話ってなに?
早紀のこと?」
気持ちいいほど
直球を打ってくる晶先輩に、
あたしはこくりと頷いて話し始めた。
「たくさん、悩みました。
次の試合、早紀先輩が
出るべきなんじゃないかって」
晶先輩は、早紀先輩の推薦の話を
知っているのかはわからない。
だから深い理由までは
言うべきじゃない気がした。
「舞を試合に出すのだって、
簡単に決めたわけじゃなくて
たくさん悩んだよ。
舞は…
ボールの動きを
ほぼ確実に読むし
チームの動きも読んでる。次に繋がるボールを打てる。
新人戦で舞を見たとき
すごい奴が入ったなって思った…」
何も言わないあたしの目を見て、
晶先輩は続けた。
「舞が試合に出ないって言っても
あたしの気持ちは変わらない。
あたしはね、
仲良しこよしな部活の思い出を
作りたいんじゃなくてさ…
そうじゃなくて
あたしは勝ちたいんだよ!!
舞は違うの!?」
晶先輩の声に力が入る。
あたしは思わず
晶先輩から目を離して
言葉を探した。
部室に残るのはあたしと晶先輩の2人になった。
さっきまで賑やかだった部室は
その反動なのか、
妙に静かに感じられた。
晶先輩は部活の時だけ
束ねている黒髪を
ゆっくりとほどきながら言う。
「…話ってなに?
早紀のこと?」
気持ちいいほど
直球を打ってくる晶先輩に、
あたしはこくりと頷いて話し始めた。
「たくさん、悩みました。
次の試合、早紀先輩が
出るべきなんじゃないかって」
晶先輩は、早紀先輩の推薦の話を
知っているのかはわからない。
だから深い理由までは
言うべきじゃない気がした。
「舞を試合に出すのだって、
簡単に決めたわけじゃなくて
たくさん悩んだよ。
舞は…
ボールの動きを
ほぼ確実に読むし
チームの動きも読んでる。次に繋がるボールを打てる。
新人戦で舞を見たとき
すごい奴が入ったなって思った…」
何も言わないあたしの目を見て、
晶先輩は続けた。
「舞が試合に出ないって言っても
あたしの気持ちは変わらない。
あたしはね、
仲良しこよしな部活の思い出を
作りたいんじゃなくてさ…
そうじゃなくて
あたしは勝ちたいんだよ!!
舞は違うの!?」
晶先輩の声に力が入る。
あたしは思わず
晶先輩から目を離して
言葉を探した。