左手のエース
「晶せんぱ…」





「いいよ、謝らなくて。


悩んだんでしょ?
舞なりの気持ちがあって。
気にしなくていいよ。


それより今日はもう帰りな。
気分悪いってことにして。

気まずいでしょ?
明日、いきなり試合
出ないことになって
まわりに色々と聞かれるの。」






晶先輩は本当によく出来た先輩だと思う。






同じコートに立ちたかった

なんて



そっくりそのまま
晶先輩に返したい言葉だよ…





「先輩、明日、
悔いのない試合をしてください。


今まで本当に
お世話になりました。」





あたしは涙声でそれだけ言うと、
深く頭を下げた。
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