水嫌いマーメイド
第1コース 水泳命!のマーメイド
如月高校水泳部
昔の小さい頃、絵本で読んだ“人魚姫”
見とれたんだ…。
ドレスみたいにキラキラしてて……。あたしも、少しでも人魚姫に近付きたくて、キラキラしてみたくて……。
あたしもなりたいなぁ…人魚姫みたいな女のコに………!
「あと、50本!お前ら気を抜くなよ!!」
男の野太い、低い声が水音を発てるプールに響く。その声であたしも気合いが入る。
佐々木妃泉、15歳。只今、水泳で青春を謳歌中です!!………と言っても、部活に青春を捧げたくない。だって、世間で言う“青春”って、恋愛じゃない?!
だって、高校生って言ったらカレカノでしょ?『高校、卒業したら○○と結婚するから』なーんて、人生に一度は言ってみたいセリフ。
『言ってみ……グフッ』
妄想がバレてしまったのか、顧問の痛い鉄拳の体裁を食らってしまった。
「………佐々木。お前、残ってプールの掃除でもしとけ」
『ハイ…すんません』
ったぁぁ……。じんじん頭に響く。応急措置として、頭をさするけど、……何コレ?全然、痛みが引かないんだけど?!
『何すんのよ、このハゲオヤジ!!』
まで言っちゃうとあたしの選手生命に関わると思うから、さすがに言わないんだけどね。知らぬが仏ってヤツよ、ハゲオヤジ。
「佐々木、あんた…ちゃんと泳げばタイム上がってたよ」
『………すみません』
あたしも謝りも虚しく
「まぁ?私じゃないから、良いんだけど?今度の大会が楽しみね」
うわ!!皮肉たっぷりじゃん…。そりゃ、ちゃんと泳がずに妄想してましたけど……。
“自分じゃないから良い”って考え改めた方が身の為じゃない…?先輩☆
『いつか、あんたを越えて……』
「ストップ」
『水沢?!』
ぽんっと、あたしの肩に水沢の右手が乗った。
「今、あの先輩にケンカ吹っ掛けようとしたろ」
………はい。しようとしました。
『いつか、あんたを越えてやるから首洗っとけ!』
と一方的な宣戦布告状を出そうとしておりました……。
「お前らしいな」
ニッって笑ってくれた。水沢潤、あたしと同じく15歳。そして水泳部。
そんで………
「「水沢くぅーーんッッッ!」」
水沢に愛のコールを叫ぶ外野のギャラリー。
……そう、水沢潤は誰もが認める(あたしは、認めないけど!)イケメン野郎。
見とれたんだ…。
ドレスみたいにキラキラしてて……。あたしも、少しでも人魚姫に近付きたくて、キラキラしてみたくて……。
あたしもなりたいなぁ…人魚姫みたいな女のコに………!
「あと、50本!お前ら気を抜くなよ!!」
男の野太い、低い声が水音を発てるプールに響く。その声であたしも気合いが入る。
佐々木妃泉、15歳。只今、水泳で青春を謳歌中です!!………と言っても、部活に青春を捧げたくない。だって、世間で言う“青春”って、恋愛じゃない?!
だって、高校生って言ったらカレカノでしょ?『高校、卒業したら○○と結婚するから』なーんて、人生に一度は言ってみたいセリフ。
『言ってみ……グフッ』
妄想がバレてしまったのか、顧問の痛い鉄拳の体裁を食らってしまった。
「………佐々木。お前、残ってプールの掃除でもしとけ」
『ハイ…すんません』
ったぁぁ……。じんじん頭に響く。応急措置として、頭をさするけど、……何コレ?全然、痛みが引かないんだけど?!
『何すんのよ、このハゲオヤジ!!』
まで言っちゃうとあたしの選手生命に関わると思うから、さすがに言わないんだけどね。知らぬが仏ってヤツよ、ハゲオヤジ。
「佐々木、あんた…ちゃんと泳げばタイム上がってたよ」
『………すみません』
あたしも謝りも虚しく
「まぁ?私じゃないから、良いんだけど?今度の大会が楽しみね」
うわ!!皮肉たっぷりじゃん…。そりゃ、ちゃんと泳がずに妄想してましたけど……。
“自分じゃないから良い”って考え改めた方が身の為じゃない…?先輩☆
『いつか、あんたを越えて……』
「ストップ」
『水沢?!』
ぽんっと、あたしの肩に水沢の右手が乗った。
「今、あの先輩にケンカ吹っ掛けようとしたろ」
………はい。しようとしました。
『いつか、あんたを越えてやるから首洗っとけ!』
と一方的な宣戦布告状を出そうとしておりました……。
「お前らしいな」
ニッって笑ってくれた。水沢潤、あたしと同じく15歳。そして水泳部。
そんで………
「「水沢くぅーーんッッッ!」」
水沢に愛のコールを叫ぶ外野のギャラリー。
……そう、水沢潤は誰もが認める(あたしは、認めないけど!)イケメン野郎。