水嫌いマーメイド
友達とはいえ…カップルと独り身は、自分家でも肩身が狭くなる。

『あ、たし…ジュース取って来る…!』

ここは、2人っきりが良いのかな?…うん。

「じゃ、俺行く!」

何で三越が出てくる?!舞と居てあげてよ!

「えっ…!」
「舞は待ってな?」
「……うん」

なんだ、このラブラブっぷりは!!
見てて恨めしいわ、このバカップル!

バカップルの片割れ 三越を連れてキッチンに向かった。

『三越は…何が良い?』
「んー?」
『ジュース!』
「在るので良いよ」
『じゃ、コーラね』
「がってん♪」

2リットルサイズのペットボトルをガラス細工に注いで、渡した。


『三越……は、舞の何処に惹かれたの?』

自分でも、気づかなくポロッと出た言葉は、あたしの部屋の扉の前。

「舞に聞こえるよ?」
『…でも、知りたい!』
「じゃ、部屋に入ってからね」
「聞こえてるっつーの!」

扉の向こうで、はっきり聞こえた舞の声。

………ですよねぇ。


「で、俺がホレた所は…舞の」
「嘘つけ。こっちから告白したってのに」
『………へ?』

奥手な…舞が!?
いつ、どこで、どんな風に?!
さらっと言ったけど、奥手な人は出来ないと思うよ?!

「言って無いと思うけど……」
「俺達、ご近所さんなの」

ご近所?!
聞いてない、聞いてない!!
言ってない、言ってない!!

異次元の話とか、非科学的な話でもしてるのかって、ぐらいに頭がついてかないんだけど…。

「…中学の帰りに告ったの」
『な…なんて?好きって?』
「……え、と…」
「舞のは嘘!お互いに告ったの」

お互い…?
相思相愛って、やつですか!うわぁ…2人のラブラブ伝説は、こんな時から始まってたんだ…。

「ちなみに、告った時の舞の顔は、スリーポイントシュート!」
『うらやましい…』
「だ、大丈夫!妃泉も頑張りな!」
『ねぇ…どうして恋愛って、女がすごく悩むんだろ』


恋する乙女の課題。

こっちは、張り裂けそうな心臓と想いが在るのに、告白すれば、それを踏みにじるかのように“ごめん”だけで済ます男共!!


乙女の敵!!許すまじ!!!

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