水嫌いマーメイド
☆PRAYBACK


生きてて良かった!!までは良かった。本当に。



「あれっ?妃泉ちゃん、もう大丈夫なの?」



一人のこの先輩と出会ってしまったのが、あたしの運の尽き。


『はい♪お陰様で』



「体、冷えてない?寒い?」


『いっ……いえ……大丈…』



「本当に!?ほんっとーーに大丈夫なの?」


…………し、しつこい。
逃げようか。


『ほんとーに大丈夫ですからぁぁ!!』


「妃泉ちゃん?!」


逃げろ、あたし。
何かヤバい気がするから!!

あたしの本能と神様がそう言ってる気がするから!!




「あれ?妃泉じゃん」



『みぃちゃん……』


「タクシー、滝山に頼んどいたからね」



な、なんでそんな余計な事を?!


『た…大丈夫だよぉ…。最後まで居るし…』



じゃないと水沢と一緒に帰れないし、おごってもらえないッ!!



「滝山にエンリョしてんの?部費から落ちないから安心しなよ」


さぁと言わんばかりにみぃちゃんは、あたしを正面玄関まで引っ張っていく。



『……何してるの?』


「え?」


動きが止まったのもつかの間。
“妃泉の見送り”とにっこり笑った。



ウソだぁぁぁぁ!!



☆PLAYBACK END



『………で、みぃちゃんに引っ張られて?帰宅させられたんですぅー』



「わー…みぃちゃんお節介な」

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