鬼のお嬢

『良かった…。』




あたしが幸人の腕へと倒れ込むと、



『よくやるよ(笑)うちのお嬢は…。あんたの方が重傷だろ↓ごめんな……俺、守りきれなくて。行ってやれなくて……。』




耳元で呟くように言った。







違うよ、幸人。


幸人は来なくて良かったんだよ…。



だって、あたしが怪我してる上に、幸人まで怪我したら、この街を守れる人……いなくなっちゃうもん…。




あたしが、本当に守らなくちゃいけないのは…


ううん。





< 166 / 538 >

この作品をシェア

pagetop