鬼のお嬢
『はい(汗)』
この時、お父さんは不思議で仕方なかったらしい。
それは、拳銃の使い方を知っていたということじゃなく、急所から全て外れていたことだったみたいだ。
― それから、
約3年。――
中3の冬。
あたしと幸人は、地元から少し離れた中学に通っていた。
『水城。伝説になってるよ(笑)』
『何が?笑』
『“ 鬼のお嬢 ”だって。それが水城だってのは皆知らないみたいだけど、今や知らない人がいないみたいだよ。』