鬼のお嬢

春はあたしに、聞き返した。






『……。』




2回も…言わせないでよ。

2回も嫌いだなんて言えるわけ……ないじゃん…。




大好きだった…。


本当に好きだった……。







『わかった。俺の怪我はただのお節介でやっただけだと思って(笑)俺らはもう、なるべく会わない方がいい。…じゃあな。水城……紗波。』




春は後ろ手をふって、そのまま振り向きもせずに帰って行った。







さようなら…。

今まで助けてくれて…ありがと…。


迷惑なんて…嘘だよ…。





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