鬼のお嬢

『春……あたし…大丈…』





『大丈夫じゃねぇーだろ?!』







薄れゆく意識の中…あたしは突然に春との今日までの事を思い出した。








春のボールに当たった日、病院へ運ばれた時のこと。

春が手や足を、怪我した時のこと。

クリスマスの時のこと。

お嬢に告白してきた時のこと。

お嬢だと打ち明けた時のこと。

春のあの言葉たちも…。







そして…あの人が言った言葉の意味が……意識を失う寸前にやっとわかった。





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