鬼のお嬢

『ほら、ね?私は外に出ているよ。』




ドアの方に目をやると、春が立っていた。






『春……あたし…』





『起き上がらなくていいから…そのままで……。良かった…紗波が無事で…。』




春は駆け寄り、あたしに抱きついた。







『本当に、良かった…。』





『春…あたし……話があるの…いい?』




まだ肩はズキズキとしていた。




今から話すことは、春にとっては触れられたくないような…そんな話かもしれない。





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