鬼のお嬢

『そろそろ、俺は…帰るわ。これからは、本当に無茶すんなよ。じゃあな……。』




こうして、春は部屋を出ていった。







あたしはこの日の夜。


看護師さんたちにバレないように、そっと病院をぬけだした。







先生からは、また叱られるだろうな……。







幸人…中込……。


お父さん…お母さん…。



あたしが、無断で家を離れたのは、今回が初めてだった。







きっと、心配してるんだろうな……。





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