鬼のお嬢
第9章 それぞれの想い
記憶1
― 集中治療室。――
水城 紗波が病院へ運ばれてから、1ヵ月がたった。
闇の男も腕の怪我はひどく、半年はかかると言われていた。
水城 紗波は、目を覚まさないままだった。
『水城……お前には…やっぱり、春が必要なのか?連れて来てやる…待ってろ。』
加賀美 幸人は、長谷川 春を病院に連れてきた。
『俺は…水城の笑顔が見たい……だから、頼む。側にいてやってほしい!』
わざわざ、頭をさげて。