鬼のお嬢

『思い出したく……ない…。』





『もしかして、俺のせい……?』





『ううん。違うよ…。』




違う…違うんだ……。


嫌な感じがする。

思い出さなくていいことまで、思い出してしまいそうな…。







『じゃあ…何で…?』





『病院に…行こう……頭痛止め貰わなくちゃ…。』




頭痛が消えれば、きっと思い出さなくて済む。







―― 病院。―――




中込はそのまま家に帰り、あたしは幸人と一緒に病院に来ていた。





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