鬼のお嬢

『出来ることならね。よけいなことを思い出したとしても、それが紗波だしさ。』





『わかった…。』




あたしは、あたしを取り戻す。



もう、周りの人たちに悲しい顔をしてほしくないから。







『お嬢…って誰?幸人が言ってたでしょ?』





『それは…』





『お願い。教えて?』





『お嬢ってのは……紗波のことだよ。』





『あたし…?』





『そう。“ 鬼のお嬢 ”それが紗波の、もう一つの顔だよ。』





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