鬼のお嬢
『いくら紗波の言うことでも、それはきけない。』
春にそんなことは、したくないけど……。
『なら、力ずくでも通らせてもらう。あたしは、病院でなんて寝てる場合じゃない!!』
『やめときな…。紗波は、お嬢じゃない。紗波は紗波でしょ…?』
『春。あたしは、根っからのお嬢だよ…。紗波を捨てることはできても、お嬢は捨てられない。』
春…ごめんねぇ。
あたしは春のお腹を目掛けて、パンチをくらわせた。