鬼のお嬢
『それはまた…なぜ?』
『両親には、迷惑かけてばかりだったから。だから、家にいられる時くらいは家にいたくて。お嬢は、怪我が治るまで休憩するから。』
『……。医者の立場としては、許可をしちゃいけないのかもしれない。でも、家で大人しくしていると、ちゃんと約束できるなら、通院という形にする。』
先生は今やお父さんのようだった。
こんなことを言ったら、まだ若い先生には失礼かもしれないけれど。
『ありがとぉ。先生。』