鬼のお嬢
『…わかってるよ。あいつには、水城がいないとダメなことくらい…。……そんでもって、水城にもあいつがいなきゃダメなことも………。』
『幸人…。』
うつむいた幸人が、今日は小さく見えた。
『ごめん…。2人を困らせるために言ったわけじゃないから。ただ…ハルにはもう幸せになって欲しいんだ。両親が死ななきゃいけなかった…あの時の無力さだけを抱えてるハルを見てんのは、友達として何もしてやれてなくて、つらいもんがあってさ。』