鬼のお嬢

『もう…大丈夫だよ…。春は、笑顔を取り戻したから。ね?そうでしょ?春は1人じゃない。皆がいるんだから↑』




あたしは2人に笑いかけた。







―― 病院の外。―――




あたしと幸人は、お互いに何も言わないまま、家に向かって歩いていた。







幸人と春を天秤にかけることなんて、出来なかった。




この迷いが2人を傷つけていることも、ちゃんとわかってる。






あたしには…どうしても、どちらかをなんて選べなかった。





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