鬼のお嬢
どうしても忘れられないもの。
『それは、富谷のこと…。春、さっき話した子のことね。あたしは……富谷も、かけがえのないものだった。今でも忘れられない…。きっと…これから先も。』
『水城…それは友達として…』
『だと思ってた…。でも、違った。あたしの最初の恋は……富谷だったんだって、気付いたんだ。』
『紗波。富谷…ってやつもさ……紗波が初恋の相手…だったかもな。富谷にとっても、紗波はかけがえのないものだったかも。』
春はまた微笑みかけた。