鬼のお嬢

電話を切ると、春はあたしの顔を覗き込み、話しかけた。







『中込に…何かあった?』




本当なら、言いたくない。

春は、怪我もまだ治りかけだから。





でも、


『今は、お嬢じゃないから…話すね。中込が連れていかれたみたい。あたしも春が治ったら、話そうと思ってた話があった…まだ少し早いけど、中込が連れてかれたなら、今から話すしかない。とりあえず、あたしの家に向かうけど、新島にも用がある。どこか近くに呼べないかなぁ?』





< 490 / 538 >

この作品をシェア

pagetop