鬼のお嬢

冬。




あたしは幸人と共に、いつも通り幸人の家から街へと向かった。







『お嬢。』





『おう!久しぶりだな(笑)元気だったか?』





『元気じゃよ(笑)』




老舗のカメラ屋のおじいさんは、腕をムキっとやってみせた。





『寒いから、風邪ひかねぇーようにな(笑)』





『おう↑』




あたしたちが、この街を鬼のお嬢として歩くようになり、皆には、伝説としてではない“ 鬼のお嬢 ”という名が知られていた。





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