【短編】 犬と猫
「・・・・さっき。何しようとしてたの。」


「え?あっ先輩の髪触ろうと思って♪」


「・・・・変態だね。」


グサッ


いや、まぁそのとおりなんですけどね?


ちょっと沈んだあと、何気なく先輩の顔を見上げると、先輩のきれいな黒髪がぴょこんとはねていた。


「先輩?髪はねてますよ?」


「え、どこ。」


ここですよ、と言いかけて私は急停止した。


だって、先輩の髪が猫耳みたいになってるんだもん!!


「先輩!写メとらせてください!!」


「イヤだよ。何で撮るの。」


先輩が怪訝そうに私をみる。でもそんなことはどうでもいい!


この奏也先輩可愛すぎるっっ!!


と、私が悶えてる間に先輩は手ぐしで髪を元に戻してしまった。


「ああ―――――――っっ!!何するんですか先輩!」


「何って・・・・。ていうかあんたはいちいちうるさい。」


本当に面倒そうにする先輩。怒らせちゃったかなぁ・・・。


「ごめんなさい、先輩。」


「・・・・。」


「・・・先輩?」


返事もしたくないほど怒ってるの?


どうしよ。嫌われちゃったかな・・・。


いや、もともと好かれてるなんて思っても無いけど。









< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop