ミルクティー
「出来たぁ」


30分経って1枚の絵が完成した。
陸はニコニコしながら私の方へ持ってくる。


「雛那チャン見てみて。
この服可愛いでしょ?」


白と水色を使ったふわふわした感じの服。


「テーマは決まったのか?」


そう言えばテーマも自分で決めなくちゃいけないんだよね?
なんだろう…?


「テーマはねぇ、『雛那チャン♪』」

「えっ?」

「はっ?」

『雛那チャン♪』って…


「だから『雛那チャン』だよ。『雛・那・チャ・ン♪』」


雛那チャンって…
私?


「陸、少し休むか?」


そうだよね、陸はきっと疲れているんだよ。


「何言っているの?
俺、すっげぇー元気だし」

「俺のベッド使っていいから」

「いや、いらない」

「遠慮しなくていい」

「まだデザイン作らなきゃいけないから」

「じゃあテーマを考えよう」

「だから決まったって」

「真面目に考えよう」

「真面目なんですけど…」

「何が真面目だ!
『雛那チャン』ってどう考えたっておかしいだろ?」


うんうん、海斗の言う通り。
私がテーマっておかしいよ。
せめて雛祭りとかにしてほしい。


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