ミルクティー
「よかったの?」


心配そうな顔で聞いてくる海斗。


「うん。
だって…陸が作ってくれるんでしょ?
大丈夫だよ…」


私をテーマに何着かデザイン画を作るみたい。
そして

「俺帰るわ」

そう言って、海斗の部屋から出て行ってしまった。
今は嵐が去った後のような静けさ―――


「どんな服が出来るのかな?」

「あいつが作るのは白や黒の服が多いからな…
ほら、引越しの時に沢山服あったでしょ?」


引っ越し?
服?


もしかして…


「あの段ボールいっぱいの服って全部陸が作ったやつなの?」

「そうだよ」


言われてみれば沢山服はあった。
そのほとんどが黒や白だった気がする…

けど待って。

なんで陸の服が海斗の部屋に…
この疑問はあの時も思った。


「なんで海斗の部屋に陸の荷物があるの?」


海斗はちょっと苦笑いをして教えてくれた。


「あいつの部屋に置ききれないんだ」


けどあの量は…
私でさえあんなには持ってない。



「雛那ちゃん」

「ん?」


そこにはいつものように優しく笑っている海斗。


「今日も可愛いね」

「///…」

体中が熱い。
それは夏だから?
それとも


『可愛い』って言われたから…?

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