ミルクティー
「…海斗?」

「ん、どうしたの?」




さっきまで辛そうだったのに…


今は
いつもどうり―――





さっきのは気のせいかな?




「今日は海、連れてきてくれてありがとう」

「どういたしまして」




私は海斗の手をギュッと強く握った。


なんだか離れたくなかった。


強く握った私にびっくりしたのか私の方を見下ろしてきた。


ちょっと恥ずかしいけど私はもう1回強くギュッと握った。







海斗はクスッと笑って、優しく握り返してくれた。








ごめんね、海斗。

私が子供だから海斗にこの時辛い思いをさせちゃったんだよね。





ごめんね、ごめんね――――






高校2年生の私は海斗が隣にいるのが当たり前だと思っていた。



けど、この当たり前の世界はそれ程長くは続かない。





ゆっくり時間は進んでいる。



< 114 / 353 >

この作品をシェア

pagetop