ミルクティー
ゆっくり海斗と喋りながら歩いていると家の前に着いた。



「ありがとう」


「どういたしまして。

それじゃあまた明日」



『それじゃあまた明日』

この言葉の意味は明日の朝の事。

いまだに挨拶が続いている事がビックリだ。





家の中に入りリビングへ行くとそこにはお母さんがいた。




珍しい。



夏休み中は何回か会ったけれど休みが明けからは1回も会っていなかった。


「ただいま、お母さん」

「おかえり、ちょっと話があるんだけどいい?」


いつもより真剣な顔をして私を呼ぶお母さん。

何かあったんだろか?

私はお母さんの向かい側のソファーに腰をおろし、お母さんの言葉を待った。




「雛那、毎朝誰と話しているの」

「朝?」

「そうよ。

夏休み中から誰かと話しているみたいよね…」


たぶん…海斗の事を言っているんだよね。


「どんな方なの?」


どんなって…


「とっても優しい人。

私の部屋の窓から見えるマンションに住んでいる人だよ」


間違ってはいない。



「その人は男の人よね?
付き合っているの?」

「それは無いよ。
ただの友達」


「そぅ…



てっきりお母さんは雛那に“彼氏”が出来たのかと思ったのに

残念だわ…」




はいぃ?
急に何を言い出すんですか!




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