ミルクティー
胸に、手を当てるとまだわかる。




「ドキドキしている」




お母さんのあんな楽しそうに笑う顔を見るのは久し振り。


最後に見たのは…




5年前――――


今年はお兄ちゃんの受験だからといって春休みに家族4人で旅行に行った。

その時にみたお母さんの笑った顔が最後。






不思議な気分。



今、お母さんは離れていた5年間を埋めようしてくれているの?


それともただ朝、迷惑なだけ?





どっち、お母さん―――・・・







発信 七生 海斗



私は急に海斗の声が聞きたくなった。


忙しいと分かっていてもかけてしまった。



「はい、もしもし?」

「海斗?」

「うん、どうかしたの?
宿題がわからないとかかな?」



落ち着く。

海斗の声を聞くだけでさっきまでのドキドキが収まっていく。



「ううん、ただちょっとかけたかっただけだから…」

「………窓開けてみて」

「窓?」



私はゆっくり窓を開けるとそこには海斗が笑顔でいた。

そして海斗は私に向かって


「ちょっとよけて」


と言って何かを投げてきた。



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