ミルクティー
ちょっと重い足をゆっくり動かしながら海斗の家へ行く。


誘ってもらった事は嬉しい。

けど相談しなかった事は…



怒られるかな。






ピンポーン




いつもどうりの音がする。

目の前にあるドアが開けば海斗がいる。


海斗に謝ろう。

そうして許してもらおう。





「お帰り、いらっしゃい」



優しく笑って迎えてくれる海斗。

けど私はそんな顔の海斗を見る事が出来ない。



「さ、入って」

「……」



玄関に入ってすぐに私は言った。



「海斗

講演会の事全然相談しなくてごめんなさい。

ごめ、んなさい…

ごめんな、さい…」



ほとんど後半は何を言ったのか分からないと思う。

自分でも何と言ったのか分からない。


ただ、海斗に許してほしかった。


『ごめんなさい』を伝えたかった。


これだけだった。



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