ミルクティー
「ん?いいよ。

今日は外、寒かったでしょ?
温かいミルクティーあるから入ろう」



『いいよ』
それって許してくれるの?



「怒ってない、の?」

「何に怒るの?」

「講演会の事…
ちゃんと相談しなかったから…」

「その事か。
雛那ちゃんは1人で頑張っていたんだよね」

「……うん」

「だから」



よく意味が分からないよ。

私、悩んでいるって一言も言っていないのに…



「なんで講演会で悩んでいるって分かったの?」

「ちょっと前に高校の先生から電話がかかってきて講演会の事聞いていたから」



そんな事私聞いてないよ。

先生だって何も言ってないよ。




「ほら玄関じゃ寒いから中に入ろう?」

「う、うん…」


それから海斗は教えてくれた。


夏休みが明けてから高校の先生から電話があった。
それは私が先生に『みんなどうしても都合がつかない』と言ったから。
高校の先生は直接海斗に電話をかけた。
そして時々電話があって先生から『どうにかならないか?』と言われていた。





「わかった?」

「うん…」



ちょっと納得しないけど…



「なんか『納得しません』って顔しているよ」

「だってぇ~…」

「俺は雛那ちゃんが頑張るって決めた事だから相談してくるまで何も言わないでおこうって思っていたから何も言わなかったんだよ。
そうしたらさっき急に泣きながら謝ってくるからビックリしたよ」

「だって怒られると思ったんだもん…」

「相談しなかった事くらいじゃ怒らないよ。

本当に雛那ちゃんは可愛いね」

「///」



泣いたのに可愛いって…



恥ずかしい。




「それで、今日来てもらったのにはね…」



急に真剣な顔をして話してくる海斗。

何の話だろう…?


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