ミルクティー
「講演会の事なんだけど…」

「あ!あのね、考えてみたんだけどね
わざわざみんなで一斉にやらなくていいんじゃないの?
大学の人達の都合のつく時にやってもらえれば…」

「例えば?」

「だからね、海斗が火曜日に時間が取れるとするでしょ、けど陸は水曜日。
だったら海斗は火曜日にやって、陸は水曜日にやるっていうこと」

「けどそれじゃあ他の子が暇になっちゃうよね…」



あ、そうだ。
聞かない子たちはどうしよう…

そこまで考えていなかった。



「まぁ考え方はいいよね。
雛那ちゃんらしい」

「ありがとう…」



褒められても…嬉しくない。




「それで来週雛那ちゃん達、桃咲大に来るよね?」

「うん、大学見学♪」

「その時にやっちゃおうかと思って…」

「けどその日は土曜日だよ?」

「土曜日ならみんな予定が合っているんだ。
だからその日がいいかと思って…」

「海斗達がそれでいいなら…」

「じゃあ決まり。
高校に連絡。」




『桃咲大学の七生ですけど、講演会の事で少し…』


なんかだか慣れた感じで話しているな。



私には“絶対”無理。
電話ってなぜか苦手なんだよね。




『えぇ、はい、春野さんはとってもしっかりしていてこちらも助かっています』



ん?
私の事かな。


私、しっかりなんてしていないよ。
海斗に迷惑かけてばっかりだもん。



< 158 / 353 >

この作品をシェア

pagetop