ミルクティー
ここは桃咲大学の食堂――


「ねぇ海斗、何で海斗はこんなに早く学校に来たの?」


大学って土曜日、お休みじゃないの?
海斗は用事があったの?


「今日、高校生案内するからそれの準備」

「えぇー!知らなかった」

「うん、言ってないし」


水族館の時に見た『意地悪笑顔』をしている。


「海斗はどのクラス案内するの?」


この大学見学はクラスごと回ることになっている。

そして各クラスに2〜3人の大学生がついて案内してくれる。



「俺は確か…A組だったかな」

「A組?
それだったら私のクラスだ!」

「本当?」

「うん♪
やったー海斗だ」

「そんなに喜ばなくても…

もう1人居るからね、玉城 結衣。
講演会来ていたから知っているでしょ?」

「玉城さんでしょ?
優しそうな感じな人だよね」

「あぁ“結衣”は優しいやつだよ」

「えっ…

“結衣”?」

「玉城 結衣って名前だよ。
知らなかったんだ」



違うよ海斗。

私が聞き返したのは


名前じゃない。



私の事は“雛那ちゃん”って呼ぶよね。


けど玉城さんは



『結衣』って…

呼び捨て。







もしかして、玉城さんは海斗の…


< 165 / 353 >

この作品をシェア

pagetop