ミルクティー
海斗はとても優しい。

私と海斗の家なんて歩いて数分のところにあるのに

その短い距離でも送ってくれるなんて…


「雛那ちゃんは“ミルクティー”好き?」


ミルクティー…

あの時飲んで感じた感じは何だろう。



「ミルクティー好きです。
あの甘さが好きなんです」


「わかるなぁ~
俺もあの甘いのが好きなんだよ」


「海斗の家にはたくさん紅茶の茶葉があるよね」


「あ~あれは俺の引っ越し祝いにって親父と母さんがくれたんだよ。
俺の実家は紅茶の茶葉売っているお店だから」


「スゴーイ」


また1つ海斗の事を知った。


ポチャン―――――

また1滴
私の心のカップに

“ミルクティー”が入っていった。


「今日は手伝ってくれてありがとう」


「いえ、私にできることがあればまた呼んでください」


「じゃぁおやすみ」


「おやすみなさい」


私たちは別れた

家に入ってみると久しぶりにお父さんがいた


「ただいま。
久し振りだねお父さん」


「あぁ、雛那か。
どこか出掛けていたのか」


「うん。
ちょっとね」


「まだご飯じゃないから上に行っていていいぞ」


「わかった」


お父さんに最後に会ったのは、1週間位前だった。

仕事が忙しいからしょうがないんだけどね。



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