ミルクティー
私は後ろを振り向いた。


そこには玉城さんが居た。



「ごめん海斗遅れた」

「5分遅刻だな」

「しょうがないでしょ。
急いできたんだけど…」

「どうせ全然帰してもらえなかったところだろ」

「えへへー、正解。
まぁ5時にお迎えが来るんだけどね」

「はいはい」



やっぱり楽しそうだな。

海斗もいつもより楽しそうに見える。



けど何で玉城さんが…


「ねぇ、海斗この子は?」


玉城さんが私に気づいて海斗に聞いている


「この子だよ。
今日、結衣に会ってもらおうと思って」

「もしかして噂の“ヒナチャン”?」


噂?

一体何の噂だろうか?



「春野 雛那です…」

「可愛い~
こんな可愛い子がいたなんて気付かなかった」


そう言って私をギューっと抱きしめてきた。

苦しい…


「お前はもっと周りよ見ろよ」

「海斗、私にお茶取ってきてくれない?
ついでに雛那チャンの分も」

「お前、自分で…」

「いいじゃん。
ねぇ~雛那チャン♪」

「え、あ…」

「結衣…
雛那ちゃんが苦しそう、放してやれ」

「海斗のケチー」

「ケチで結構。

雛那ちゃん、こいつが玉城 結衣。
講演会の時に来ていたから知っているよね。
看護学部の事とか色々聞くといいよ」


「うん、ありがとう」

「どういたしまして」




私と海斗のやり取りをニコニコしながら見ている玉城さん…


ちょっと恥ずかしい。


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