ミルクティー
海斗はみんなから見えないように手を握ってくれた。



「海斗、みんな居るよ…」

「大丈夫、みんな大学の方見たりしているから気付かれないよ」



本当は海斗と手、つなげて嬉しかったんだ。

だって海斗の特別になったような気がしたから…



「結衣さんすごく楽しそうだね」


「あいつ張り切っていたからな…」


「海斗、疲れている?」


「あいつといると疲れる」


「顔が疲れた顔している。
海、行くの?」


「疲れたから行くの。
雛那ちゃんはイヤ?」


「嫌じゃ…ない。
けど邪魔にならない」


「もちろん。
1人より2人の方が楽しいしね」


「ホント!?」






「あのーお取り込み中悪いんですけど…」


後ろを向くとそこには


「うわ…結衣、お前なんで居るんだよ」


「『なんで居るんだよ』じゃないわよ、全く。
途中で居なくなったと思ったら雛那ちゃんと手、繋いでデートですか?
仕事サボって…」


「サボったわけじゃなくて…」


「じゃあ何よ。
クラスの子たちはもう会場に移動しているわよ。
会場を覗いてみたら雛那ちゃんが居なくて探してみれば…

手繋いでいるんですもん。
ビックリしたわよ。
だから海斗、片付けよろしくね。
仕事サボったんだからいいでしょ?
行きましょ雛那ちゃん、こんな“バカ”はほっといて」


「え、あ、はい」

「じゃあ海斗、雛那ちゃん借りていくから」



海斗怒られちゃった。


途中から2人でゆっくり歩いていてみんなにおいて行かれちゃったんだよね…

まさか結衣さんが探してくれるとは思わなかった。


「結衣さん…
あまり海斗の事怒らないであげて下さい。
海斗が仕事サボっちゃったのは私のせいだから…」


「大丈夫。
ちゃんと事情知っているから。
ちょっといじめただけ。
海斗、途中で雛那ちゃんの所行ったでしょ、その時に『雛那ちゃんが心配だから』って言って行ったのよ」


「そうなんですか?」



知らなかった。

もしかしていつも私の事、見ていてくれたのかな?

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