ミルクティー
トクン トクン―――




海斗に抱きしめられている。

海斗に抱きしめられている。




頭では分かっているけど…

海斗の背中に手を回す事が



出来ない。




たぶんそれは

私の気持ちが中途半端だから。



そして私の中に不安がある。



『海斗に彼女がいるのか』



いっその事聞いてしまえば楽になると思う。




けど聞けない。





もし『いる』と答えられた時、私はもう海斗の隣を歩く事は出来ない。


彼女さんに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。




「雛那ちゃん、俺とこんな事していいの?」


「こんな事?」


「俺に抱きしめられていて…


彼氏君はいいのかなぁ~って…」




彼氏?
誰に…






……私にか。

私しかいないもんね。



「私、彼氏なんていませんよ」


聞いちゃっていいかな?


ここで聞かなかったら聞けない気がする。


海斗に彼女がいるか―――



「海斗は、彼女居ないの?」



どんな答えが出てきても受け入れる。


たとえ彼女がいても…



< 188 / 353 >

この作品をシェア

pagetop