ミルクティー
「俺?俺もいないよ」




『俺もいないよ』


よかった、よかったぁ。

私、まだ海斗の隣を歩ける。



「俺は雛那ちゃんに彼氏が居なくてよかったよ…


いつも俺のわがままに毎回付き合ってもらって…

彼氏に迷惑かなってずっと思っていたんだ」





知らなかった。

海斗ってあまり自分の事って話してくれない。




特に自分の気持ちは…




「彼氏がいるなら海斗と遊ばないよ」


「だよね」



私達は笑いあった。


すごく嬉しい。


まだこれからも海斗と笑ってもいられる。


隣を歩ける。





……………嘘みたい。





急に腕を解いた海斗。


「防波堤の方…行こうか」



なぜ急に腕を解いたのか分からないけど…


微かに聞こえる声。



だんだん私たちの方に近づいている気がする。




もしかして…



海斗は手を握ってゆっくり歩いてくれる。




そういえば…

海斗の顔がいつもと違った。


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