ミルクティー
高台に登るとそこは…

モミジが一面に広がっていた。



「モミジがイッパイ…」


「ここは俺がガキの頃に連れてきてもらったところなんだ」



海斗の子供時代…


可愛かったんだろうなぁ〜


私は柵のある所まで勢いよく走っていく。



「落ちないようにね」



後ろから聞こえてくる海斗の言葉は軽く流す。



「見てみて海斗!
あっちの方にモミジの下を歩けるような所があるよ」


「本当だ…
気付かなかった」


「行きたい!」


「わかったから。
帰りにその道を通るよ。


そんな事より…落ちそうで危ない」


「あはは…

ごめんなさい」



あまりにキレイな景色に興奮してしまった私。

柵から身を乗り出して楽しんでいた。



「なんだか今日の雛那ちゃんはいつもより“幼く”感じるよ」


「子供って言いたいの?」


「そんな感じかな?」


「私は海斗みたいに大人っぽく無いですよーだ」



私なんかまだ高校生で海斗より子供だもん。

別に海斗に大人っぽく見られたい訳じゃない。



だた…

海斗と同じ目線でいたい。


< 217 / 353 >

この作品をシェア

pagetop