ミルクティー
「ちょっとこっち来て!」



私はお兄さんの後を付いて行く。



「春野さん、なんだかチョコチョコしていて可愛いね」


「///…」



ニコって笑って言ってきた。


その顔…海斗に似ている。

やっぱり兄弟なんだなぁ~って…



「ハイ」


「ん?」



手には厚い本?



「これって…?」


「アルバム、一緒に海斗の小さい時の写真見よ!!」


「ハイ!」



やったー

海斗の小さい時の写真。

私と会う、19年間。

私の知らない海斗…


1枚1枚めくっていく。

お兄さんと写っている写真。



あっ!!


「泣いている♪」


「あ~これね、なんか転んだらしくて泣いちゃった写真。
可愛いから誰か撮ったんじゃないかな?」


「可愛いです」


「でしょ~」


「この写真は?」


「これは高校の入学式の写真。

緊張しているでしょ?」



ちょっと強張った顔をした海斗がそこには居た。

いつもは見れない顔。




「雛那ちゃーん」


遠くから私の名前を呼ぶ声が突然聞こえた。


「あっ海斗だ…」



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